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平成23年度受入実態調査報告(通年)
1.受入団体及び受入者数
 平成23年度は、新たに10戸の牧場が認証を取得したが、同じく10戸の牧場が認証を辞退したため、認証牧場数は22年度と同数の309牧場となった。
 また、23年度の認証牧場(調査回収件数/295牧場)における受入者数(実際に体験を受けた来場者)は約74万4千人となり、牧場での体験受け入れが著しく低調であった22年度と比較すると約80%の増加となり、口蹄疫の影響を受けていない21年度と比較すると約15%少ない結果となった。
 そのうち、23年度に体験受け入れが1件もなかった認証牧場数は54牧場となっており、うち19牧場が東北地域の認証牧場である。該当する牧場からは「東日本大震災の影響により受入ができなかった」というコメントが見られ、東北地域以外でも北海道、関東・北陸地域の受入なしの牧場で「東北にいる家族が被災して体験どころではなかった」「除染作業に追われている」「風評被害」といった理由をあげる牧場があった。さらに、依然として近隣諸国で口蹄疫が発生している状況を受け、「感染症予防のために受け入れなかった」という理由をあげる牧場も、全国的に複数見られた。
 なお、23年度に関しては、1回当たりの平均受入人数(d)が21年度、22年度と比較して多くなっているが、これは感染症予防のため、「不特定多数」になりがちな「家族連れなどの個人」の受け入れを自粛していることに起因していると考えられる。また、特に従来「家族連れなどの個人」の受け入れが多かった観光型の牧場でふれあい体験を休止しているところが数件あることも、1回当たりの平均受入人数が多くなっている大きな要因であると推察される。
2.団体種類別の受入状況
 団体種類別にみると、23年度は「家族連れ等の個人」を除く全ての区分において、団体数・人数ともに22年度より大きく増加し、21年度の水準に近づいている。
 なお、小学校・中学校においては受入人数において21年度の実績を上回る結果となっており、特に中学校は20%以上増加している。さらに、「幼稚園・保育園」の区分においては、団体数・人数ともに21年度の実績をも僅かに上回っており、幼児期における牧場での酪農体験のニーズが高まっていることが推察される。牧場体験においては「幼児・小学生・中学生」が非常に多く、増加傾向にあるので、これらを対象とする学習教材の一層の充実を図ることが、学校現場への支援方策として効果的であると考えられる。

※「その他」区分について、21・22年度はイベントなど、23年度は外国人グループの受入状況について調査。
3.月別の受入状況
 月別では、団体数・人数ともに春から秋までの上半期の受入が多く、冬季は全体的に団体数・人数とも少ない傾向がみられる。これは口蹄疫発生による影響を受けた22年度を例外として、従来通りの傾向である。
 なお、23年度を21年度と比較した場合、春から夏までの実績が少なかった。これは23年3月の東日本大震災の影響を大きく受けていると思われる。10月以降については、受入人数は21年度とほぼ同数である。
4.地域別の受入状況
 平成23年度の受入実績を地域別にみると、九州地域を除く全ての地域で受入人数が前年を大きく上回っている。また、九州地域においては、受入人数は22年度を下回っているが、受入団体数が大きく増加している。これは、22年度に牧場体験を自粛した観光型の認証牧場の受入が再開し、「家族連れ等の個人」の体験が増加したことが大きな要因と思われる。
 また、従来、観光の一環として酪農体験をするグループの受入が比較的多い北海道、関東地域については、受入人数が大きく増加しているのに対して団体数は減少している。これは、個人グループの受入数が減少して学校等の教育機関(団体)の体験受け入れが増加したことによると推察される。
 四国地域については、22年度の実績の多くを占めていた1つの牧場の受入団体数が23年度に大きく減少したため、大幅な減少となっているが、受入人数については増加している。北陸・東海・近畿・中国地域、沖縄県については、受入団体数・人数ともに、22年度より大きく増加している。
5.出前教室型活動の取組状況
 平成23年度に出前教室型の体験を実施したファシリテーター数及びその実施件数は、22年度に比べて大きく減少している。22年度は口蹄疫の発生により、上期には牧場体験がほとんど休止したため、予定していた牧場での体験を急遽出前教室型に変更したという報告が多数あり、実績が大きく伸びた。
 また、1回当たりの平均受講人数は414人となっており、小規模な出前活動が増えた22年度と異なり、大規模なイベント型の出前活動が多く見られた21年度と同様の結果を示している。
 一方で、21年度と比較して、継続型の出前教室の比率が大きく増えているのが特徴的である。牧場(ファシリテーター)と学校などの教育機関が継続的に連絡を取り合い、深いネットワークを築きつつある事例が増加している可能性が示唆される。


※21年度の1回あたり平均受講人数は下期のデータから算出。上期の受講人数は未調査
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