 |
  |
バターを取り扱う注意点は、以下のことがあります。
1.バターは高温に弱い
バターを保存する場合や料理に使う場合には温度管理が重要です。バターは高温に非常に弱く、温度が高ければ高いほど早く風味が落ちてしまいます。いったん溶けたバターは組織が壊れ、不均一になるため、再び冷やして元の状態に固めても風味も口当たりも悪くなり、本来の特性を失ってしまいます。また、高温・多湿の状態で放置すると、たちまち細菌やカビ、酵母などによって、色調が変わり不快な臭いなどを発生する原因になります。
2.バターは酸化に弱い
バターのような不飽和脂肪酸を多く含む食用油脂は、空気中の酸素によって脂肪が酸化しやすく、酸化すると味や風味も低下してしまいます。さらに陽のあたるところに放置すると、紫外線により酸化が促進されビタミンAが急激に減少します。
3.臭いを吸収しやすい
バターは臭いを吸着する性質があるので、臭いの強いものの近くに開封したまま保存してはいけません。臭いが移って、風味だけでなく味も損なわれるのです。なるべく密封容器で保存してください。 |
 |
見た目はどちらも似たもののようですが、バターとマーガリンはその原材料も製法も異なります。バターは、牛乳から分離した乳脂肪分を練り上げてつくったもので、その脂肪はすべて乳脂肪です。
一方、マーガリンは植物性油脂(主にコーン油や大豆油など)を主体に脱脂乳などの副原材料を加え、攪拌しながら冷やし固めたものです。もともとバターの代用品として、19世紀後半にフランスで生まれました。日本でもお店に並び始めた当初は人造バターなどと呼ばれたものです。マーガリンは、原材料によってさまざまなタイプがあり、リノール酸の多いフラワー油を使用したものや、生クリームや牛乳を加えたものなど、その種類もバラエティに富んできました。ただし、香り豊かな自然の風味を味わうにはやっぱりバターという方も多いようです。 |
 |
バターには、タンパク質などの乳成分が含まれているため、強い火力で焼いたり炒めたりすると焦げて料理の色を悪くしたり、風味を損なうことがあります。このような場合には澄ましバターを使うと、見た目も味もすばらしい料理ができます。
澄ましバターは、鍋で多めのバターを溶かして上澄みの部分をすくってつくります(上澄みをとるときは、温度が高すぎると香りの成分が失われてしまうので、40℃前後でバターを溶かすことが大切)。この澄ましバターを料理やケーキに利用すると、あまり焦げることなく、おいしく仕上がります。
これとは反対にバターを焦がすことで独特の風味を生かす料理もあります。イタリア風オムレツが代表的で、とき卵に焦がしバターを加えて焼き目をこんがりつける個性的な料理です。 |
 |
バターの賞味期限は、開封前は冷蔵で約6ヵ月、開封後は2週間程度が目安となっています。バターは冷蔵保存だけでなく実は冷凍保存もできるため、開封前で約1年の保存が可能になります。しばらく使う予定がないときは、品質と風味を維持するために冷凍庫に保存しておくようにしましょう。
冷凍保存をするときには、使いやすい量に小分けして(たとえば16等分すれば1片が大さじ1)から、ラップやアルミホイルに包んでおくと、必要な分だけすぐに取り出せて風味も逃がしません。また、ハーブや香辛料などと練り込んでアレンジした「合わせバター」をつくって棒状に包み、冷凍保存しておくと料理のバリエーションが広がります。 |